経営者の方々の状態(コンディション)を見る仕事をする中で、僕自身にも問い続けている質問があります。
「今日、本来の力を何%発揮できましたか?」
最初は自分に向けた小さな確認のつもりでした。でも続けるうちに、1日の終わり方が少しずつ変わってきました。今日はこの問いを、どう自分の生活に組み込んでいるかについて書きます。
経営者の方は日々、判断の質と量の両方を求められる立場にいます。売上や案件の進捗といった外側の結果は数字として日々見えていても、その結果を生み出している自分自身の状態がどれくらいだったかは、案外見えていないものです。発揮率は、その見えにくい部分に数字を当てるための試みです。
100点か0点かでは、自分を測れない
1日を終えるとき、人はつい「今日はよくやった」か「今日はダメだった」の2択で締めくくりたくなります。予定を全部こなせたら合格、こなせなかったら不合格。そんな採点の仕方です。
僕もそうでした。でも実際に数字で振り返ってみると、その間に広いグラデーションがあることに気づきます。0か100かではなく、30、60、80というふうに、具体的な数字を当ててみる。すると「ダメだった」と決めつけていた日にも70%はあったり、「よくやった」と思っていた日が案外55%だったりする。
自分を2値で採点するのをやめて、パーセントで見る。それだけで、1日の見え方が変わってきます。
忙しさと、発揮できた実感は別物
経営者の方々の状態を毎日見ていて感じるのは、予定の埋まり具合と発揮率が、思ったほど一致しないということです。
予定を詰め込んでバタバタと動いた日が70%だったり、1つの案件にじっくり向き合えた日が95%だったりする。忙しさは量の指標で、発揮率は質の指標です。この2つを同じものとして扱ってしまうと、予定表が埋まっている日ほど「頑張った」と評価し、静かに過ごした日を過小評価してしまいます。
僕はこれを、自分に問い始めてから気づきました。体調が整っている日ほど発揮できるわけでもなく、疲れている日でも思いがけず力が出ることがある。発揮率を決めているのは、体調そのものよりも、その日どんな向き合い方をしたかのほうが大きいと、今は見ています。
毎晩1回、自分に聞くだけで見えてくるもの
やり方はシンプルです。夜、寝る前に1回、今日の自分に0から100の数字をつける。理由を細かく分析しなくていい。まずは数字を出すことだけを習慣にします。
数字をつけ始めると、最初のうちは戸惑うと思います。忙しかった日ほど高い点をつけたくなるし、静かに過ごした日は低くつけたくなる。でも実際に振り返ると、そうではないことが多いんです。
続けていくと、自分の波のパターンが見えてきます。何曜日に発揮率が落ちやすいか、どんな予定の組み方をした日に高くなるか、朝の過ごし方がその日の数字にどう響くか。1回1回の数字そのものより、数字が並んだときに見える傾向のほうに、情報としての価値があります。
数字の裏にあるものを、後から追いかける
数字をつけ続けていくと、あるとき「なぜこの日は40%だったんだろう」と気になる日が出てきます。その日の予定を振り返ると、朝から会議が詰まっていて座りっぱなしだったとか、前の晩の眠りが浅かったとか、心当たりが見つかることがあります。
僕がこの問いを自分に向けて感じたのは、発揮率を動かしている要素は1つではないということです。睡眠、食事、運動、自律神経の働き、置かれている環境。どれか1つを整えれば毎回90%になる、というような単純な話ではありません。数字が低かった日の周辺を見返すことで、自分にとってどの要素の影響が大きいのかが、少しずつ輪郭を持ってきます。
数字をつけた瞬間にすべてを分析しようとしなくていいと思っています。夜は数字を出すだけにして、傾向を探すのは週末や月末にまとめて振り返る。そのくらいの距離感のほうが、習慣として続きます。
経営者の方は特に、1日の成果を売上や案件の進み方で測る場面が多いと思います。それはそれで必要な物差しですが、成果を出すための土台になっている自分自身の状態は、また別に見ておく必要があると僕は考えています。発揮率は、その土台側を見るための、もう1つの物差しです。
発揮率は他人と比べる指標ではありません。同じ自分の中で、日によって、週によって、どう変化しているかを見るための物差しです。100点を目指す必要はなく、数字を出したらそれで十分です。
数字をつけるだけでも十分ですが、自分の状態を睡眠・食事・運動・自律神経・環境という切り口で細かく見てみたい方には、3分コンディションチェックも用意しています。数字の裏側を知る、もう1つの手がかりとして使ってもらえたらと思います。
今夜、自分に1回だけ聞いてみてください。
「今日、本来の力を何%発揮できましたか?」
答えは、明日にはまた変わります。
※この記事は一般的な考え方の紹介であり、医療行為(診断・治療)ではありません。体調に不安のある方は医療機関にご相談ください。
【3分コンディションチェック(無料)】
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